BUMP OF CHICKENの曲は「具体的にこんなことがあったからこんな曲をつくりました。」(例えば失恋とか、○○ソング的なもの)ってものはほとんどなくて、全てがノンフィクションではあるけれど、人が生きていく中で感じる感情の切なさ、嬉しい、楽しい、悲しいそんな普遍的な感情でできている。と私は思う。
しかし、この『リボン』は珍しく藤原基央のメンバーに対する、BUMP OF CHICKENというバンドについて歌っていると明言している。
下記はリボンリリース時のロッキングオンインタビュー。
すごく恵まれた環境だと思います、ほんとに。助けてもらいながら、支えてもらいながら我々4人もなんとかここまで来れたし、俺ひとりの話で言えば、やっぱり他のメンバー3人の存在っていうのがものすごく大きい
(“リボン”は)は珍しく普遍性が低いというか、自分たちにしか当てはめられない、バンドメンバーたちでしか分かち合えないようなことを書いてしまっていて。このへんがお客さんにとってどう響くのかわかんなかったんですけど、書いてる時は、まあ書いたあともですけど、完全にこう歌うことが今自分には必要だった
引用元:rockinon.com
そんなメンバーのことを歌っている極めてパーソナルとも言えるこの曲だが、やっぱり
BUMP OF CHICKENのフィルターにかかると普遍性の高いものになる。
そんななかで最も私の好きな歌詞があって、
意地や恥ずかしさに負けないで 心で正面から向き合えるよ
僕らを結ぶリボンは 解けない訳じゃない結んできたんだ
この部分はどんな大切な人との関係にも言えることだと感じる。
友人や恋人、家族、なんだっていいんだけど、深く付き合いがある分、良いところばかりじゃなくて、見たくない部分とか、なんで分かってもらえないんだろうって気持ちもでてくる。
うわべだけとか、その場の付き合いだったら、別にそこまで深く知る必要なんてないから、お互いに無難に付き合ってやり過ごしていくことができる。
長い付き合いだからこそ、「言わなくてもわかるよね?」的なことだったり、なんとなく照れ臭くていえなかったり向き合えなかったりすることも多い。
BUMPメンバーも幼馴染だからこそ、分かり合える部分もあるだろうけれど、それだけじゃないんだよな。きっと。
私の想像でしかないけれど、小さい頃から知っている分、照れ臭さや言葉にするのが、伝えるのが難しい部分もある。
だけれど、ずっと固い絆で結ばれてここまで来たんじゃなくて、何かあるたびに、その都度しっかり向き合って、結び直してここまできたんだよな。
今自分と深く付き合いのある人たちを思い浮かべてみると、やっぱり同じことが言える。
深く付き合っているからこそ、その分分かり合えなくて悔しかったり悲しかったり、楽しいだけじゃない、様々な感情がある。
でもそこで、しっかり結びなおして来たからこそ、今こうした関係があるんだなってわかる。
何も問題なくスムーズな関係ももちろんあるけれど、そんなことばっっかりじゃないぜ。大切な人ほど。
そんなことを私はこの曲から受け取りました。ありがとう。